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介護・医療・福祉人材育成講座 キャリア育成塾

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介護人事のかけこみ寺

介護人事のかけこみ寺

  • 人材の確保とは「確保」と「定着」の2つから考えていかなければなりません。
    在職している職員が魅力ある人財として定着していることによって,新しい職員がその次に続いていくのです。
    現在の職員に求められる姿とは個々が持つ人間力をいかに高めるか,が”テーマ”だと考えます。
    介護人事のかけこみ寺ではそういった悩み事の解決策を全10回のコラム形式でお伝えしていきます。

解決策事例

  • 第3回
    職員のやる気や不満をうまく組み取れてあげられないため、運営に支障をきたすことがあります。

    どのようにしたら本人のやる気や抱えている不満を汲み取れるでしょうか?

  • 解決策

    やる気とはモチベーションの現れそのものと言えます。
    しかし、今日は何%などと数値化しにくいものでもあります。
    「モチベーションは数値化しにくい」そのことを汲み取っていくとなると日ごろのコミュニケーションがとても大切になります。
    本人の心の状態を日ごろから把握しておくことはとても大切で、ちょっとした表情や言葉、また所作に現れるものです。
    嬉しそうにしている時は、表情にハリが出て、動きもキビキビとしています。
    しかし不安そうにしているときは、暗く、考え事をしている表情が増え、仕事の動きが緩慢になっているものです。
    そのような時、人は「癖」を何気なく出しているものです。
    例えば、指先をさかんに動かす、髪の毛の先端を気にする、顔のどこかに手を当てているなど特定の癖が出やすくなります。
    無くて七癖、「人は不安そうにしているとき癖が出やすい」ということを理解し、その癖を見抜く力も必要になります。

    しかし、今の介護業界は人手不足でメンタル的に上がっていないことでスタッフにかまっていられないなどという声がよく聞かれます。
    ご利用者を見るほうが優先でしょ、作業をこなすだけで精いっぱい、時間も無いのにできるはずないじゃない、などなど様々な意見が聞かれます。
    でも少しだけ立ち止まって考えて欲しいのです。
    仕事は一人ではできないのです。 チームあっての職場なのですから。
    周りを見る余裕とでも言いましょうか、これをお読みになっている皆様のチームの力は超一流でしょうか、それとも普通の一流でしょうか。
    当然、介護のプロとしての自覚は全員がお持ちかもしれません。
    しかし、わずかな差かもしれませんが、「共に働く仲間の利益」を考えられるだけの品性を持って初めて超一流のチームといえるのです。
    「共に働く仲間の利益」とは法人の持つ理念を理解し、最高のパフォーマンスで介護に打ち込み、ご利用者に感謝される姿といえるでしょう。
    仲間の利益を考えるだけの品性を持つイコール超一流のチームといえるのです。
    もう少し具体的にチーム力という視点で考えるならば、「共に働く仲間の利益」とは「仕事に向かいやすい環境がやる気にモチベーションにつながっている」ということになるのです。
    業務中、業務外問わず、声がけや休憩中の時間の過ごし方、周囲への気配りなど、基本的なことを継続して行うことを忘れてはいけないのです。

    また、次の悩み事として出てきた「不満」についてですが、不満をいうとそれ自体が愚痴になりやすいので、上司に不満を言うと人事評価につながってしまうのではないかという不安に陥ってしまい、なかなか言えなくなるものです。
    不満への組み取りはオフィシャルな形で行わず、簡単なヒアリングから読み取っていくのが良いでしょう。 オフィシャルな面談というと、職員の方々は身構えてしまいます。
    私が定着に伴う人事指導を行った際、面談という言葉は使わないようにしていました。 面談ではなく、懇談です。
    まぁやっている中身は同じですが(笑)
    懇談というだけでもハードルは下がるものです。
    それを職員全員に対して行っていくのです。 1人にかける時間はおおむね30分から40分といったところでしょうか。
    しかし、心の声が出始めると止まらない方も相当数いらっしゃいます。
    手を抜くことなくしっかりと聴くことが求められます。 懇談の最中は基本的にメモを取らないことをお勧めします。
    メモを取るということは、私が言ったことを個人的な 不満としてテーブルに乗せるつもりだなと捉えられてしまうことを回避するためです。
    懇談が終わったあと5分ほどで内容をメモし、手帳にまとめていきます。
    漏れがあるかもしれないという不安があるならば、本人に言ったうえで要点だけ単語でメモすることをお勧めします。

    懇談の環境は個室で他の人に聞かれないように配慮することも忘れてはいけません。
    人は不都合なことを言うとき、他人の目を気にします。
    口から出まかせの批判めいたことを言う時は誰かに聞かせるように立ち振る舞うものだと思います。
    懇談を重ねることで聴いてもらえたという安心感は与えられるかもしれません。
    しかし聴くだけではそこで終わってしまいます。
    大切なことは時間の許す限り職員全員と懇談の機会を増やし、チーム全体の問題点を抽出・把握し、解決の糸口を模索することなのです。
    誰が言った、言わないではなく、今チーム力を高めるためには何が必要なのか、ともに働く仲間の利益は何なのかを問わなくてはなりません。
    そして具体的解決策を方針として打ち出し、全員に周知させることが必要となるのです。
    具体的解決策には夢や希望が詰まっていなければなりません。 その先にある希望とは何かを日常的に語りかけていく必要があるのです。
    通り一辺倒の解決策では職員は納得しないのです。
    組み取りの仕方一つでモチベーションは上りも下がりもします。
    問題提起や不満が出たときは決して無視してはいけません。 相手に対し不満を抱える要因がありますので是非参考にしていただきたいと思います。
    共通項は相手を軽視するという観点で、深刻順に述べると、提案を無視、不満に対応しない、励まさない、他者の前で部下の批判をする、こちらの気持ちを聞こうとしない、仕事の経過や進行状況を部下に伝えない、えこひいきするが挙げられます。※1
    組み取るということはそれなりのテクニックが求められるものです。


    参考文献 ※1「人を動かす人」になるために知っておくべきこと 世界一のメンターの「集中講義」 著者:ジョン・C・マクスウェル、渡邉美樹(監訳) 出版社:三笠書房 発行日:2010年12月25日


連載予定

  • 偶数月の隔月で公開予定(計10回)

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