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介護・医療・福祉人材育成講座 キャリア育成塾

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介護人事のかけこみ寺

介護人事のかけこみ寺

  • 人材の確保とは「確保」と「定着」の2つから考えていかなければなりません。
    在職している職員が魅力ある人財として定着していることによって,新しい職員がその次に続いていくのです。 現在の職員に求められる姿とは個々が持つ人間力をいかに高めるか,が”テーマ”だと考えます。
    介護人事のかけこみ寺ではそういった悩み事の解決策を全10回のコラム形式でお伝えしていきます。

解決策事例

  • 第1回
    Q:来月、中途採用者が入ってきます。
    すでに介護士として3年の経験があり、介護スキルは十分にあるようです。

    即戦力として期待しているのですが、受け入れ側としてどのような準備をしたら良いでしょうか?

  • 解決策

    新人職員の教育は施設への定着という観点からとても重要な意味合いを持っています。

    入り口を間違えてしまうと定着のための教育をするどころか、早期離職に直結してしまうことにもなりかねません。
    導入プログラムはどこの施設においても作りこんでいると思いたいですが、それは日常業務のやり方であったり、施設内のルールの徹底に主眼を置いたものであり、導入に欠かすことのできない内容が盛り込まれていないことが散見されます。
    当然のこととは思いますが、こと介護業界の新人は中途採用者が多いということが挙げられます。
    中途採用者はそれなりに仕事の経験も豊富で様々な人生経験も積まれた方が多いように感じます。
    が、それだけにやり方が我流になっていたり、また人の意見を受け入れづらい、過去に私はこうしていたのだという自負など、様々な弊害というものがそこには存在しているのです。
    中途採用であるからこそ、年齢、性別を問わず新人は新人、いったんリセットさせ、心を新たに、スタートを切らせることが肝心です。

    そこで着眼したいのが、中途職員の入職式です。
    皆さんの施設では新入職員が入るたびに入職式をオフィシャルな形で行っていますか?
    中途採用者から話を聞くと、そのほとんどが自己紹介もそこそこに、初日からすぐに現場、やっていくうちに慣れるからという私からすれば意味不明な導入がなされているそうです。
    もちろん、やり方や基本的なルールは伝達されるようですが…。
    即戦力として期待しているからこそ、導入よりも現場で、という考え方なのかもしれません。
    それでは解決策を具体的に模索しましょう。
    まず中途職員を新たな気持ちにリセットさせるためには導入部分をしっかりと作りこんでいかなければなりません。
    まずは入職式、オフィシャルな形で、理事長や施設長、事務長などからの激励コメントなどを盛り込み、たとえ入職者が1名であったとしても行うことをお勧めします。
    これは法人があなたに期待しているという強いメッセージを送る絶好のチャンスでもあるのです。
    私も多くの中途職員に関わってきましたが、激励メッセージを過去にもらったというケースは稀なようで、とても嬉しそうにしていたのは印象深かったです。

    そして各職員に対しての自己紹介。
    今日付けで入職したのでこれから一緒に頑張っていきますというメッセージを1人ずつ職員全員に対し発信させるのです。 朝礼や申し送りのときに一気にさせるのではありません。
    休みの人がいて会えない場合は次に顔を合わせたとき必ず行わせましょう。
    これは全員が共に働く仲間だという意識を高めさせるためにも必ず行わなくてはいけません。
    そこで職員全員に新人の名前と顔を覚えてもらうのです。
    状況にもよりますが自己紹介時にはお互いにエールを送りあう意味で「ハイタッチ」や「グータッチ」などを行うと良いでしょう。
    緊張の中にある初回ならでは挨拶においては職員同士の雰囲気作りは欠かせません。
    私が登壇する研修会でも毎回最初と最後にハイタッチは行っていますが、その効果は絶大で、全員から笑顔がこぼれ出ます。

    あいさつが終われば次に行うのが新人研修です。
    読者のみなさんは新人研修と名の付くものをどのくらい前に受講したことがありますか?
    人によっては数十年前、もしくはお話を聞くと今まで一度も受けたことがないという方も過去にはいらっしゃいました。
    当時、最初に何を教えられたか思い返してみましょう。
    覚えていますか?
    まず、社会人としての心構えや自分の役割の意味、法人の理念の徹底や理解。
    もちろん、ビジネスマナーや接遇、チーム力、言葉遣い、などあらゆるものが詰め込まれていたのではないでしょうか。
    特に重要なのが社会人としての心構えや自分の役割の意味、法人の理念の徹底や理解です。
    法人の進んでいく方向性をしっかりと植え付けていかなければなりません。
    そこを中途半端にしてしまうと、新人の方々は今後どの方向に自分のキャリアを合わせていけばよいのか目標を立てにくくなってしまいます。
    当然、中途職員は経験も豊富なため、我流がしみ込んでいるケースが多くみられますので、接遇、チーム力、言葉遣い、禁句や応答の技術など基本事項は初心に帰るためリセットさせる必要があります。
    研修内容は自分の施設に合わせて作りこむことをお勧めします。
    指導にかける時間は一般的な新人研修と同様、正味2日間、トータル12時間ほどを適正時間と考えてよいでしょう。

    それが終わると次に行う指導が介助の仕方です。
    もちろん、すでに介護職を経験済みで慣れていらっしゃる方もいるとは思いますが、意外とトラブルになるのが「やり方の相違」です。
    以前の場所ではこのやり方だった、その方法で慣れているのだという経験上の自負が存在します。
    しかし、施設によっては、ここではこのやり方が評価対象なのだというところもあり、そこに相違が生まれます。
    これがぎくしゃくした関係を生み出す入り口になることもあるのです。
    統一したトランスファーを含めた介助の仕方をマニュアル化しておくことをお勧めします。
    そしてそのマニュアルに沿って修正、指導を行ってください。
    介助の指導は正味3回に分けてトータル12時間ほど必要でしょうか。

    これで入職日から起算して5日間、長い目で見れば研修にあてた最初の5日間は無駄になりません。
    導入を間違えず、気持ちをリセットさせ、この施設が自分を受け入れてくれたのだという満足感を与えることこそが最初に行うことであり、中途入職者を定着させる一番の近道なのです。
    ただし、1つ注意点を述べるとしたら、既存の職員は作成されている導入マニュアルを順守しているということです。
    先輩たちがやっていないのに、自分たちには教育させる。
    これでは矛盾が生じます。
    事業所全体の教育の在り方を体制の見直しも含めてバージョンアップされることを期待したいものです。


連載予定

  • 偶数月の隔月で公開予定(計10回)

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